タケ・ササ類とは?
何種類ある?
鈴木貞雄博士は、著書「日本タケ科植物総目録」(1978年、学研)で、それまでに発表された数百種類のタケ・ササ類を整理され、索引には240種類程度にまとめられました。
ところが、2017年、小林幹夫博士は「原色植物分類図鑑 日本のタケ亜科植物」(北隆館)を著し、日本のタケ亜科植物 131 種類を詳細に図説されました。
「日本には何種類の竹があるのですか?」とよく尋ねられますが、学問的なタケ・ササの分類はとても難しく、返事に困っています。
そこで私は、「学者によって主張が異なりますが、130種類ほどかも」と言うことにしています。
竹? 笹? バンブー?
わが国では、竹類を「タケ」と「ササ」に分けて呼んだり、また「タケ」「ササ」「バンブー」と呼ぶ学者もあります。
事実、一般市民から「これはタケですね」「これはササですか」また「このバンブーは・・」などと質問やご意見をよく聞きます。
そこで、では、「タケ」と「ササ」はどこがどう違うのかのいうことになりますが、これについては、学者間でかなり見解が異なります。その異なる見解の代表的なケースを紹介します。
まず、鈴木貞雄博士は「タケ類、ササ類というのは分類学上の区分ではなく、あくまでタケ科の便宜上の区分にすぎない。分類学上の類別は
属(genus)を単位とする。」と述べておられます。つまり、「タケ」とか「ササ」というのは、学問的には意味のないことと主張されているのです。
一方、室井 綽博士は「地下茎があって稈が散生し、筍は生長後、竹の皮が脱落するものを「タケ」、竹の皮が腐るまで竹稈に付着しているものを「ササ」、地下茎がほとんどなく、稈が叢生する(群がって生える)熱帯産のものを「バンブー」と提唱されました。
しかし、後に「バンブー」を「クランプ・バンブー」と言うに訂正されました。
そこで、私の答えは
実は、小林幹夫博士は著書「原色植物分類図鑑 日本のタケ亜科植物」に「タケ」「ササ」「バンブーサ」を提唱(2017)されました。
その見方は単純に言って「タケは皮が落ちる」「ササは皮がいつまでも稈にのこる」「バンブーサは株になって生える」ものと述べておられます。
この小林博士のご説明が一番わかりやすいでしょう。